昨年の新鉱物・鞍瀬鉱山産.桃井柘榴石
今日の画像は昨年、愛媛大学の皆川博士らによって日本産新鉱物として記載された、愛媛県西条市丹原町鞍瀬鉱山産の桃井柘榴石です。国内ではこの標本の原産地鞍瀬鉱山と、鹿児島県大和鉱山、岩手県田野畑鉱山、福井県藤井鉱山、京都府法花寺野鉱山の5ヶ所程度が知られており、マンガン鉱中のテフロ石やバラ輝石から成る母岩に緑色の粒状結晶として産します。大和鉱山のマンガンとバナジウムに富む石榴石(大和石)を研究した桃井斉博士に因んで命名された鉱物で、鞍瀬鉱山で存知の灰バナジン柘榴石(皆川博士によって記載)を更に詳しく研究し、灰バナジン柘榴石のCaをMnが卓越する化学組成をもつ本鉱が発見されました。本鉱と灰バナジン柘榴石の判別は科学分析に拠るところが多いですが、画像の様なボーレライネン石(バンジンスピネル)を伴う個体は桃井柘榴石の確立が非常に高いとの事で、ボーレライネン石の存在(共成)がラベル付けの目安に成りそうだ!