日本鉱物科学会2010年度年会に参加

今月23日〜25日に島根大学で開催された、日本鉱物科学会2010年度年会に23日だけ参加した。今年のポスターを見る限り新鉱物は無かった様だが新産鉱物が結構多い様に思われた。午前から午後に掛けてポスター会場で諸先生、方々と再会し色々なお話をし、午後2:30から開催されたコアタイムに出席し、講演(口頭発表)を拝聴した。夕方、石友と共に一旦松江駅通りのホテルに戻り、その後、駅に隣接する飲食街へ科博や諸大学の先生方のお伴をして繰り出し、山陰の海産物の舌鼓を打った。さて今回の発表の中に、2003年にIMA承認されたモロッコ原産のジャクスディートリッヒ石(Jacquesdietrichite)の布賀鉱山産の本鉱が世界2例目の発見として報告(口頭発表)された。この鉱物の記載に至るまで結構長い年月を要し苦労した事が思い出される。と言うのも、産出量が極めて少ない上、自形結晶が平均150μm以下ととんでもなく極小サイズだった為、分析において決定付けるまでの分析サンプルの収集が非常に困難で有った。直接結晶の分離作業を行った草地、松原、宮脇、諸先生方は更に困難で有ったろうと察するに及ばない!!「鉱物は記載して初めて意味が有るもの!」との草地先生からの励ましに、半ば諦めモードの私自身も奮い起こしてサンプル探しをしたのが懐かしい。あれから足掛け3年以上は経ったと思われるが、今は報われた思いで感無量だ。本鉱の詳しい情報は此方↓
http://www.cpustudy.net/minerals/fuka.files/cpu.files/Jacquesdietrichite.html